2002.2.26 吉祥寺 MANDA-LA2
Reported By P・N




【2月26日 PM6:00】
吉祥寺の駅から出て見渡すと、微妙に店が変ってたりしているものの、約7年前に
見た懐かしい街並みがそこにはあり、急にドキドキした気分になる。
地方の人間である私は、7年程前もMANDA-LA2に行く為にしかこの地を訪れた事も
無かった。記憶を頼りに歩いてみると一発で会場に到着。当たりくじでも引いたか
の様にうれしかったりして。

【PM6:30開場】
次々とオーディエンスが入場し、狭い会場はあっという間に一杯に。あいにく席を
取れず、立ち見となった人達も多く、70〜80人は入っただろう。
ステージにはベースギターが2本とグランドピアノ・エレピの2台がある。
やはり"山石氏にはグランドピアノ!"と思っている私は嬉しくて、これから始まる
Liveに期待を膨らませる。ちょっと緊張。

【PM7:30開演】
珍しく(失礼!)ほぼ定刻に客電が落ち、SEの中、まず永井氏続いて山石氏が登場。
永井氏はTシャツに皮のベスト、Gパンといういつものスタイル。
山石氏はストライプのややスンドカラーのシャツに黒ジャケット、エナメルっぽい
黒パンツとモノトーン系で決めている。
おもむろにグランドピアノの前に座り『Butterflies of Passage』続いてエレピ
に移動して『My TREASURE

【緊張する二人】
初めてのDuoだからか、今日は2人ともとても緊張して、足はガクガク手は震え
といった状態で、2曲目にして「もういいかげんにして〜」(永井氏談)らしい。
先週あたりから2人とも"風邪引きさん"で、前日のリハでは永井氏、38.5度も熱が
あったそう。そんなぐったりの永井氏を見た山石氏は「な〜んてこの人は風邪が
似合うんだろう!」と褒めたらしい・・・
「今日は皆さんひとりひとりの心に忍び込んでウラの方をくすぐってみたいと思い
ます。」と前置きして、「こんな夜にピッタリの曲を」と、『Night View』緊張
してるとしきりに言っていたのを聞いたからか、山石氏の手元は何時になく硬く見
える。とても初々しくつい微んでしまった。
続いてベースのイントロから始まる『とても子供だった』オリジナルではMacのギ
ターがうなる所だが、ベースで演ると"泣き"の強い曲になる気がする。

【"生"三昧!】
「緊張したまま終りそうだ・・・皆さんはリラックスして下さいね。僕らもこれか
らリラックスします!」と言葉にしなきゃいけない程まだ緊張している山石氏。
話は永井氏のおNEWのベースの事へ。
godinの生っぽいフレットレスベース。ボディのラインがちょっと変っていて私は
とても好きである。
"生っぽい"ベース&生ピ。「ここからは弾きますよ!」宣言の元、「"生"に似合う
曲があるので…」と、『結婚記念日』。うん、確かに。まるでホテルのラウンジで
グラスでも傾けりゃ似合うムードだ。曲のエンディングから切れる事無くピアノソ
ロへ。そしてそのまま『ebb and flow』。ピアノ好きな私には満足!の流れ。

〜10分の休憩〜

【"ベース"三昧20分なり!】
さざ波のSEの中、永井氏登場。ソロ演奏が始まる。これがまた良い。
ベースソロと言えばひたすらベンベンボンボン弾くというイメージしかない(悲し
い程貧困)私にとって、ベースでシンセサイザーを操りとても幻想的な気持にさせ
てくれたのには心地よいショック!
富田勲のシンセサイザーを皆さんご存知だろうか?(NHK「シルクロード」の音楽
は有名だが、知ってると歳がばれます)あの世界が好きな私にはOK!もの。
そしていつしか本来のベースとして音を出し、ソロを続ける。後のMCでも話が出た
が、ここは永井氏の全くのその場アドリブソロだったらしい。SEがさざ波だったの
を受けての即興(インチキと読みます)。
山石氏はこの曲を聴いていて"深海"をイメージ。永井氏「当たり!解ってるじゃん
先生!」
Liveに戻ろう。
いつの間にか山石氏も加わりエレピとベースでインストロメンタル『Cloudia』。

【永井氏のインストロメンタルの表現講座】
山石氏はインスト中心の永井氏のことを"インスピレーション"をくれる人と表現。
ここでインストとしては一番疑問である表現をいかに伝えるかを永井氏が解説。
詞が無い分、音で言いたい事を伝える難しさ、"絵"に例え、バンドならメンバー
個々の絵を1つの絵にするのが理想だしセッションなら持ち寄られた個々の絵を
"聞く人"がいかにその曲を作った人のイメージしていた絵に近くイメージするかが
ポイントであるといった内容。ナルホドである。
ミュージシャンはこの"絵"の平均値を高めるべく日々努力しているそうである。
今年の夏にはDuoアルバムを出そうとレコーディングを始めているそうで、果たし
てどんな"絵"が出来上がるか楽しみな所だ。
その中に入る曲でNEWアレンジの『行く君に宛て』。
が!ここで永井氏の機材トラブル。山石氏が「オリンピックどうよ?」と雑談で繋
ぎ、何とか直って仕切り直し。
印象としては原曲より軽くなったか?ビートか随分はっきりしたか。
続いて生ピで『Night Games』これは間奏のピアノ〜ベースってのがとにかく力強
くて圧倒されてしまった。

【collaborate−協力する・合作する−】
「今まで自分がやってきた事から一歩新しい国に足を踏み入れた感覚でTKYをやっ
てみた。そこで今までやった事無かった"一緒に曲を作る"という事が出来てとて
も楽しかった。」と、TKYを振り返る山石氏。という事でcollaborateした曲を。
海に降る雨』『Cry for the Moon』ビートが利いたアレンジでなかなかかっこ
いい。特に間奏の早弾きには「ほーぅ」。

【20代曼荼羅。30代MANDA-LA2。】
今日、本当に久々にここで演って、20代30代それぞれの当時の気持を想い出しつ
つ常に前に進む事を改めて決心した山石氏。「音楽を演ってると帰る場所も出掛け
る場所もあるので一緒に音楽の旅を続けましょう」と、誘ってくれた(笑)。
「舵取りしますので道に迷います(!)が一緒に歩いて行きましょう。」という気持
ちを込めて『処女航海』…余り迷わんで下さい…

【アンコール1】
月1Live続行中と順調な中、新たに6月13日に目黒ブルースアレイで再びDuo Live
が決定。
しかもLiveレコーディングしようかなーっという事らしいので平日だが(怒)ぜひ。
「世界で、日本で色々な事が起きている。身の回りで起きている事はそれに比べれ
ば確かに小さい事だ。だが自分の暮らしが小さいと思わず、全世界と直結している
んだという意識を持ちつつ頑張って生きて行きましょう。そんな思いを込めて。」
September Song

【アンコール2】
「どんな人間にも心に暗闇を抱えています。それに気付く人もいれば気付かない人
もいる。それが人間です。私は暗闇から目をそらさない様にしようと基本的に思っ
ています。そんな事を是非とも考えて欲しいと思いつつ、この曲を。」『渚にて

最後は問題提議をしつつ終演となった。PM9:50。
確かに派手に盛り上がる曲を演る訳でも無いのでノリは無かったが、なかなかどう
して結構内容が濃く、いい意味で私の予想を見事に裏切ってくれたLiveだった。
次回も期待しとりますぞ。

Written by 羽の生えたくまさん



※開演時間を修正しました。


Top Back