今回の会場“目黒ブルースアレイ”はただ音楽を聴くだけではないライブハウス。
ホテルの地階にあるだけあって、おしゃれなレストランというかラウンジバーのよう。
階段を下り、お店の人に予約した旨を伝えると座席へと案内してくれて、なんだか
高級レストランへ来たような気分。
各テーブルにはキャンドルが置かれ、柔らかな明るさの店内はとても雰囲気が良い。
ステージには下手にグランドピアノ、センターにキーボード、上手にベースと設置されて
いました。
【第1部】
19:40 場内の照明が落とされSEが流れる中、客席からの拍手と共に永井さんが登場。
定位置に座るとベースを抱え、そのままベースソロへ。なんとも不思議なフレットレス
ベースでのメロディ、ついじ〜っと指の動きに見入ってしまう。
後のMCで言っていたけれど、ベースソロは前回の時と同じように即興で弾いたとのこと。
次の曲に入るところで山石さん登場。黒の皮っぽいシャツと同系等の皮のパンツという
衣装で、キーボードの前に座る。
MUSIC POD等で配信されているバージョンの♪行く君に宛て リズムの刻み具合が心地良く、
永井さんのフレットレスベースならではの音がとっても素敵でした。
-MC-
山石「こんばんは。ベース 永井敏己、キーボード 山石敬之です。ブルースアレイ、私は
初めてなんですが、ディナーショーというか(笑)私達のことは気にせず、みんな
食って飲んで食って飲んで(笑)あまり飲みすぎてからんだりはしないでね。
(グランドピアノの方へ移動してから)永井君一発かましてやってくれない?」
永井「ど〜も〜こんばんは!2回目のDuoですが、今回1曲目にソロってことで、俺一人で
最初出て行ってどうすんだよ!?みたいなかんじでしたけどね(笑)
始まる前にモニターで映画(パーフェクトストーム)やってたの見ました?
楽屋でずっと見てたんですけど、台風で海が荒れて船が凄いことになってて、そう
いうイメージを引きずりつつ弾きました」
山石「前回の様に今日もしっとりするかもしれませんが、私的には張りきってGO!GO!(笑)
基本的にはしっとりしちゃうんでしょうけど、たぶん最後の方にはGO!GO!ノリノリ
になると思う。ではシビアな曲を」
♪Butterflies of Passage から波のSEをバックに♪ebb and flow
ピアノを弾く手がとっても激しく動いているのだけれど、店内はやはりしっとりムード…。
-MC-
山石「リハーサルをやる時間がなかなか無くてね、仕方ないので奥の手を使って、昨夜11時
から2時までリハやりました。眠いけどしょうがない。ちょっと今日はハイかも(笑)
疲れた時のナチュラルハイ(笑)永井君今日は風邪ひいてないよね?」
永井「ばっちり眠いだけ(笑)体調は似た様なもんだけど、風邪じゃないだけいいっすよ。
早く寝りゃあいいだけのこと。早く寝なかったから。山石さん早く寝た?」
山石「寝た。お肌に悪いから(笑)
先ほどのebb and flowも波の音とか海の曲でしたけど、次の曲も海洋系サウンド!?
さっきのパーフェクトストームにぴったり。
にゃははっ(いきなりの笑いに客席爆笑。やはりナチュラルハイのせい?)
では海の曲を」
海のイメージなのか青と緑のライトが交差する中♪海に降る雨
そして照明がオレンジや赤っぽい穏かな色に変わり、しっとりと♪Cloudia
ベースでのメロディがムード満点。コロコロと転がるようなピアノの音はなんだか可愛く、
淡いステージの明るさと、テーブルの上で揺れるキャンドルの柔らかな灯りがとても優し
く、曲とマッチしていて素敵でした。
<休憩30分>
お食事タイムの店内。料理や飲み物の注文も多く、お店の人が忙しそう。(笑)
友達同士で盛り上がる人、席の離れた友達と立ち話をしてる人、一人でゆっくり飲んでいる
人、CDやグッズを買いに行く人等、様々な光景が目に入りました。
【第2部】
照明が落とされ、赤に黒のヒョウ柄のようなブラウスに長めの黒のベロアのベスト・黒茶系
の軟らかそうな生地のパンツという衣装の山石さんが登場。
拍手の中、グランドピアノの前に座りピアノソロ。
穏かな優しいメロディからだんだんと力強い音へと変わり、流れるように♪Mistress へ。
グランドピアノで歌い上げるMistressはとっても切なく悲しく、ぐっときました。
ピアノで次曲のイントロが流れる中、永井さんが登場し、♪結婚記念日
ピアノとフレットレスベースのみのアレンジはとてもいい感じでした。
-MC-
山石「最近世間はワールドカップで盛り上がっているんじゃないかと思いますけど、私は力
入ってます。テレビの前で正座して旗振って(笑)応援してます。
サッカーという一つの種目で全世界がこんなに盛り上がるって、他にはないですよね。
以前、紛争中の地域が停戦したこともあるんですよ。戦争を止めさせるような力があ
る凄いことが今日本で行われているんだと、ハタと(膝を叩いて・笑)気づきました。
世界平和というか、人類が解り合える世界最大のお祭りが行われていて、僕等はその
ホスト国の国民なんだという自覚や責任を持つべきではないかと、一生懸命応援しよ
うと思うわけです。
このお祭りを通して世界と直接、凄く身近に繋がり合えているということをちょっと
考えながら…ワールドワイドな視点を持ちながら、遠く砂漠の国やジャングルの国の
人達と、今近くにいるんだということを思いつつ聞いて下さい」
力強いピアノの音とベースのみでの♪History そして♪September Song
MCで言っていた世界平和を訴えているかのような力強い歌い方で、エンディングの英語歌詞
のところでは、ゾクゾクと鳥肌が立つような感動を覚えました。
-MC-
山石「二人でアルバムを作ろうという話もありまして、あまり進んでいませんが…。
8月29日に名古屋で二人でまたライブやるので、できればその時に発売したいなぁ…
だったらいいなぁ…」(客席爆笑)
永井「またそれですか(笑)」
山石「今日は永井敏己の作曲術について聞いてみたい」
永井「なんでステージの上で根掘り葉掘り聞くんですか。教えますけどね」
山石「このフレットレスベースのおじさんがどういう風に曲を作るのか…ベースで作るの?」
永井「いろいろですよ。今は機械で打ち込みしたり、ベースでも作りますよ。その時の思い
つきで、ベース持ったりコンピューターの前に座ったり、マチマチです」
山石「アプローチが違うと出来上がる曲も違ったりしない?」
永井「う〜ん、あまり変わらないかも」
山石「ピアノで作るとコードが弾けるじゃない。僕はシンプルな曲が作りたい時はギターで
作る。押さえられるコードが限られてるから」(客席爆笑)
永井「Fは押さえられますか?(笑)」
山石「Fは痛い(笑)G,EmとCしか使わないとか(笑)一番苦労した曲って何?」
永井「出来上がっちゃったら苦労しても覚えてないっていうか…わりと苦労しない方ですよ」
山石「僕は♪ふにゃら〜ふにゃらら〜らら〜とか(客席大爆笑)歌いながら作ってるけど、
最近はリズムパターン組んで、ベースラインとかコードつけて、最後に歌を作るって
いうのもあって、次の曲がそうやって作ったのなんですが、♪デェル〜って」
永井「なんですかその♪デェル〜って(笑)かんじはわかるけど」
山石「そういう楽器面から作った曲を聞いて下さい」
ということで、元気で激しい曲3連発。
ライトがいろんな色にクルクルと変わる中、♪Risk Taker
間奏のベースがかっこよく、キーボ−ドも負けないくらい力強い。迫力の熱いキーボードに
客席から思わず「Hu〜!!」という歓声があがり、一気に場内はヒートアップ。
♪Cry for the Moon はブリブリというベースが聴き応え有りで、ノリも楽しい。
キーボードとベースのみでの♪Visitorは御機嫌
シンプルなアレンジでも楽しいノリは健在。客席から手拍子が起こり、嬉しそうに歌う山石
さんに盛り上がる客席からエンディング時に歓声が飛びました。
【アンコール】
アンコールを求める客席からの拍手の中、二人揃ってステージに。
キーボードにて ♪処女航海
ベースのフレーズがとっても切なく、感情のこもった歌い方、特にラストのサビは涙がこぼ
れそうなほど感動的でした。
MCでは二人の今後のライブ告知などを話し、永井さんが「7月に都内でライブやります。どこ
だったっけなぁ…あっここだ!(客席大爆笑)すいません…ブルースアレイ、いいお店です
ねぇ」と、おちゃめな一面を見せていました。
山石さんの「今日は遅い時間までありがとうございました。また会える日を楽しみにしてお
ります」の言葉の後、グランドピアノでの♪渚にて
じっくりしっとり、心に染み渡りました。
22:20終了。拍手が響く中、二人は静かに退場して行きました。
この二人でのこの選曲、そしてお店の雰囲気、2回目のDuo Selectionとして、とても良い
ライブだったのではないかと思います。
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