2002.9.18 渋谷 CLUB eggsite
Reported By P・N




【INTRODUCTION】
東京地方にドンと腰を据えてしまった秋雨前線の影響で先週末からぐずついた天気が続いて
いたが、今朝目が覚めて外を見ると…「おおっ!晴れとる!」
前日、日本国内におそらく歴史上に残るであろう出来事があった。
そう、小泉首相の『日朝首脳会談』と、20数年前に拉致され消息不明のままであった“日本人
拉致事件”の北朝鮮側からの14名に対しての安否情報発表である。
思いがけない結末に唖然とし、胸を痛め、それでも納得出来ない不自然さに怒りさえ感じ、
多くの人々が暗い気持ちでその日を終えたことだろう。
だからこそ、このLIVEの日に太陽が久々に姿を見せ、晴れやかな気分になれた事は、お天道様
に感謝!

【START】
定刻時刻を若干過ぎた頃、客電が落ち、軽快なリズムのSEが流れメンバーが定位置に着く。
山石氏は大きめ襟のモノトーンの豹柄シャツに黒のスパッツタイプのパンツ。
他の3人もシャツ&パンツといったいでたちで何となく統一感がある。これも珍しい気がする。
加えて田坂氏は帽子かキュート。
その田坂氏の「ワン・ツー!」の掛け声を合図にイントロが流れる。
Good-bye Iserina』だ。1曲目からノリの良いナンバーで気持ちが引き締まる。
米川氏のギターソロが更に拍車を掛けているのも見逃せない。
間伐入れず、TKYの中でもノリの良い曲の1つ『Out-Going』へ。途中、オーディエンスが
手拍子をすると、山石氏がとてもうれしそうな顔をした。よくある事なのにいつもと何かが
違う表情なのだ。楽しそうなのがストレートに伝わってくる。
BANDはそんなに心地よいのかい?と問うてみたくなる顔!

【FIRST CONTACT】
「どーも、こんばんはー。イエイッ!」と、気合の入った山石氏の第一声。
「皆さんのところに参りますので覚悟してお付き合いを!」と、一体感になる瞬間が待ちきれ
ない様子。
そうそう。曲が終わってMCに入る間に客席で起きる“クスクス笑い”が気になっている様子
なので1部説明しておこう。
『とても煌びやか〜な(笑)衣装に反応して…』『山石氏が気付かない所で他のメンバーが
小ネタをしている時』など、大した事じゃないハズ…。
他にお心当りのある方は山石氏迄。でも、この問いかけに誰かが叫んだ『かっこいい!』との
コメントが一番の理由という事で…。
「久しぶりのバンドバージョン、そしてegg site、頑張りますのでよろしく!」
気合を入れたところで古き良き曲2曲へ。『Mistress』『とても子供だった』だ。
最近は弾き語りでもよく聞く事があるが、私はやっぱりバンドバージョンは良い!と思ったり
する。
『とても子供だった』で、グンとオーディエンスを引き付け、山石氏の表情にジッと見入る人、
多数。

【LOVE IS ALL】
田坂氏と米川氏は休憩となり、山石氏&永井氏の愛の世界コーナーへ。
何を隠そう前を隠そう(by山石氏)この日は愛し合うお二人(笑)の初のデュオ・アルバム発売日!
今日このアルバムをPRしないでいつやるの!?という大切の時なのに…。
汗→涙→泣いているの?→“北の国から”見た?…今お二人共お気に入りだそうで。
何度かの脱線にもめげず、味で表現すれば「スパゲティのゆで汁の様なしょっぱさ」だといい、
二人の音楽を凝縮した25分で、「これ、聴きたいでしょ?」と思う5曲を選んだ『CON-NECT』
をしっかり解説し、「浸ってください!」とメッセージ。
はい、聴きました。でも、5曲しか無いのがすごく不満!もっと聴かせろー!ってのが私の率直
な感想。せめてあと1曲はインスト欲しかった!
LIVEに戻ろう。
「浸って!」のメッセージの証明としてその中から2曲。『行く君に宛』と『砂の城』。
一気にアダルトな雰囲気に辺りは染まる。

【ABOUT YESTERDAY】
再び田坂氏と米川氏がステージに出て4人揃ったところで山石氏がゆっくり話し始めた。
「昨日はニュースに釘付けになりました。先週は9.11から一周忌と言いますか、一年という
のがあり、昨日はああいうことがあって、考えさせられます。僕らは一体どういう場所に立って
いるのか?そりゃヒドイ事なんですが、50年前から朝鮮や中国の人達が感じ続けてきた気持ちが
今になって解ります。僕らは地球市民の一人であり、東アジアの一員なんだと強く感じ、同時に
日本国民なんだと。どんどん目線を広く持っていったり狭く持っていったりすることが大事なん
だと思います。」
つまり、私達は必ず何らかの組織に(会社・家庭等)属していると。そしてそれぞれの場面で
“その中のひとりという意識”そして“個人のひとりとしての意識”を持つ事が巡り巡って
“地球市民のひとり”という事に返ってゆくのだと、又、そうやって考えることが全世界に
繋がる。と、言いたいらしい。
「私は神を持たないので祈る相手はいないのですが、祈る事・願う事・希望する事は一致する
と思います。皆さんも心の中で祈ってください。」と、メッセージを添え、昨年の9.11直後に
作ったという曲へ。『September Song』いつになく気持ちを込めた歌い方である。
エンディングでそっと右手を胸に当て、祈るようなしぐさをした姿が印象的であった。
と、次にいきなりついさっきまでの空気を弾き飛ばす様に『Slow Night Play』『化身』と
ノリのナンバーへ!きゅ…急やねぇ。

【LET’S GO!】
これから始まるラストスパートへ期待を持たせ、取り敢えずメンバー紹介&それぞれの近況報告。
今回初参加の米川氏。彼にとっては全部が新曲同然でしかも、ご本人大変お忙しいらしくたっぷ
りリハをした様子でもないのに素人目に見ても見事なギター捌き(笑)で、ホレボレ。
私なんてミーハー心がフツフツ出ちゃって「きゃぁ!CCBの米川くんやぁ〜!」…すんません。
しかし本当に安定感のあるギターであり、安心して聴けた。
田坂氏のドラム、永井氏のベースは今更言うまでもないでしょ。
私、この構成のバンドバージョン、すごくいい感じでよいと思う。
さて!休憩モードはその辺にして。山石氏、着ていたベストを脱いだ!
「よろしいでしょうか?みなさん、よろしい?いくぞーっ!」
声高らかにイントロが流れ、反応してオーディエンスが立ち上がる。『Trial Run』。
続いて黒のショルキーをお供に『又、雨が降り出した』『Visitorは御機嫌』へ。
「何で?」と思う程うれしそうな山石氏。その空気はしっかりオーディエンスに届いている。
初めの予告通り“来た”のだ。一気にたたみ込む様に『Artists』へ。SEが流れ、本編終了。

【ENCORE! GO! GO!】
目の覚める様な赤いスケスケシャツをまとい、ハンドマイクを手にして暴走は止まらない!
無邪気な関係』だ。
次はマイクをショルキーに持ち替えて『Urban Spirits』!曲最後に米川氏が今日一番の笑顔を
見せた。ステージ上の4人皆がこの上なく楽しそうで何だかウレシイ…。

【TODAY’S ENDING】
アンコールの拍手に迎えられ、再び登場。実は次回のLIVEが、月一LIVE1周年であると発表。
おお、そうなんだ、よくぞ頑張ったよスタッフさん!あ、いや、山石さん!1周年記念LIVEは
このメンバーで大阪!しかも始めての場所!盛り上がりは必至!みなさん行かねば!山石氏も
「(年末に向け)あちこち走っていますので、私の顔を見に…見たくないかな?(笑)来て下さい。」
とお誘いです。
そして「また年内、ここにいる全員にお会いしましょう。最後にこの曲を渋谷の街に贈ります。」
と、締めくくって『処女航海』。
とても満足そうな表情でしっかりと歌い上げ、さいごにガッツポーズ。
メンバーが引き上げた直後、ちょっとした異変があった。
SEが流れるのはいつもの事だがたまたま流れていたのが『ここに立てば星は輝く』ピアノ版。
だからなのか理由は定かでないが、オーディエンスの誰一人動かず最後まで聞き込んでいたのだ。
『ここ星』が終わると改めて拍手をして、終了となった。
なんだか、みんな気持ちが同じだったのかな?浸っていたかったのかな?

【AFTER MY MIND】
久しぶりに気持ちの良いLIVEを見せてもらった。振り返れば大変中身が濃い!
外に出ると少し肌寒いくらいの風が吹いていて、「もう秋だねぇ…」と柄にも無くセンチな気分
に浸りつつ家路に着いた。


Written by 羽の生えたくまさん


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