2004.4.8 南青山 MANDALA











店内が暗くなるとSEが流れ、真っ赤なスーツ姿の山石さんが登場して静かにキーボードの前に座る。
新曲の『fragile』『Moon』をきちっと歌い終えると、最初のMCへ。

「こんばんは」と挨拶したあと、いきなり「ハッピー!石の日!イエー!」と両手を上に上げたり、
低いところでのガッツポーズをしたり(笑)、客席もいきなり盛り上がって拍手喝采。
「おめでとう!」と自分で言いながら手を叩いてたりもして。

グランドピアノへ移動すると、今回のリクエスト企画の説明。
これはネットとハガキで今回のライブでやってほしい曲をリクエストしてもらい、集計した結果の
ベストテンを発表(演奏)するというもの。
年末のクリスマスライブでは企画倒れになってしまったとのことで。(^^;

「ベストテンをカウントダウンしていくので、通常だったら自分で曲順を考えるんですけど、今日は
有り得ない曲順に…(客席大爆笑!)そうかと気がついた時にはもう遅かったという…でも意外と
いいかんじの曲順に落ち着きました。

今日は皆さんの貴重な祝日(笑)を私のためにお越しいただいて、ありがとうございます。」
と言って立ち上がって深々とお辞儀をしたあと、背筋をピンの伸ばし客席を見回してご挨拶。

そして同率9位という『贈り損ねた花束』『冬だけが終わらない』の2曲を力強くしっとりと歌い、
キーボードへ移動してから、再びMCへ。

「音楽活動をして22年になるんですが、長くやっていると本当に色々なことがあります。そんな私の
歴史を知る、去年の夏の弾き語りライブ3daysのDVDが本日発売になりました!(客席から拍手〜!)
こんなに自分の歴史を切々と語って聞かせるオヤジもいないですよね(笑)それをさらにDVD化して
売るっていう…押し強すぎるぜ山石!ってかんじ(客席爆笑)私の歴史を掘り下げた3日間ですので」
そして「買ってくれ〜!」と定番の一言雄叫び。(笑)

「では、次は同率7位の2曲を」と言ってから、明るいライトの中、元気よく『Trial Run』。
ラストのサビでは客席から手拍子も起こり、山石さんも元気ハツラツ!に歌いきり、拍手喝采。
ライトがブルーに変わると、ずっしりとしたかんじで『September Song』をマイクを食べそうな
くらい大口開けて熱唱。
もの凄い曲のギャップではあったけれど、とても力強く、心に響く歌いっぷりでした。

「私と友部の曲(歌詞)には色々な登場人物がいるんですけど…今日はここ(右横)に少しスペース
が空いているので、ここに一人、架空の人物が座っていると考えてみまして…それはノブコです(笑)
(客席も大爆笑)ノブコっていうのは、皆さんの架空の友達なんですよ。高校時代とか大学生とかの
激しい頃の悪友というかね。そういう友達を思い出して、ここに座らせておいて欲しいなと思って。
今日は誰に向かって歌ったらいいのかと考えたんだけど、ノブコにしようかと(笑)」
この“ノブコ”の話はとってもおかしかったですね。(笑)

「ベストテンだけでなく、リクエストしてもらった曲の投票結果はプリントしてあるので帰りに受け
取ってください。とにかくいろんな曲があって、最後に大量の1票がざーーーっとあるんです。
本当に曲数が多くて、これを見たらなんだか切なくなってくるというか、山石敬之45歳、ここまで
音楽活動をやってきただけのことはあるなと思いました」と、ちょっと誇らしげなお話もしていま
した。

第6位の『処女航海』、第5位の『誰よりも好きだった』を大汗かきながら力いっぱい歌い終えると、
グランドピアノに移動してから、タオルで汗を拭きまくり「良い汗かいて気持ちがいい」と言って
いました。

「カウントダウンをしてくると、やっぱりスクランブル時代の曲が多いんだけど、ところどころに
タブロビや他の曲が入ってるところに我ながらほっとしているんです。全曲スクランブルだったら
それ以後の俺の人生なんだったんだと…。(客席大爆笑)ちょっとほっとしてます。逆に言えば、
皆さんが作った曲順ですからね、今日は皆さんの思い出の詰まったライブになっているのではない
かと思ってます。」

いきなりの新潟・福岡のライブ告知では、「私と一緒に旅しませんか?」の一言に客席からは、
「きゃ〜〜〜!」の声。“一緒に旅”なんてワキワキしちゃう。(笑)
そして、7月の名古屋・大阪ライブの告知では「弾き語りもいいけどバンドもね!」とのこと。(笑)

暖かみのある色のライトの中、『春の雪』を歌い終えるとじ〜っとうつむき、SEが流れ出すとゆっく
りとピアノを弾き出す。
『Night Games』それをじっ〜と聞き入る客席。とにかくピアノが力強くてかっこいい。
ドラマチックというか、なんともいえないムードで客席を酔わし、聞き応えたっぷり。
これが同率3位の2曲でした。

第2位となった『ここに立てば星は輝く』を汗を飛ばしながら力いっぱい歌い終えると、上を見上げ
て一息ついてから、『ここ星』を作った経緯を話してくれました。
スクランブルが解散した後に、友部さんの書いた詞の中でまだ曲をつけていなものを探したら、この
『ここ星』があり、「なんでこんないい詞に曲をつけてなかったんだろう?」と作ってみたらすぐに
出来たそう。
我ながら自分の曲に励まされる、肩を押されるような曲になり、「もう一回やってみるか!」と音楽
を続けて行こうと思えた、と話していました。

そんな話をしてから、リクエスト第1位の曲『とても子供だった』。
流れるようなピアノの音と力いっぱい歌う姿には圧倒されっぱなしでした。

「皆さんは私とどこで出会ったんでしょう?私の何が良かったんでしょう?きっと何か引っ掛かる
ところがあったんでしょうけど、少々好きくらいじゃわざわざ平日の夜にライブハウスまで来ませ
んよね。それはかなり大変な労力だと思います。なので、今日集まってくれている皆さんは私自身
と私の曲が大好きなんだろうと思ってますけど、違う?(客席爆笑)ここまで生きてきて、いろん
な場所へ行っていろんな人の前で歌ったりしてきたわけですが、誕生日にこうやってお祝いしても
らえる俺って幸せ者だな〜と思います。こんな幸せ者の私をお祝いできる皆さんも幸せなんだろう
なと(客席爆笑)思います(笑)」と笑かしてくれたりしてから、「そんなみなさんのために」と
『君は花を枯らさない』。
歌い終えるとステージ中央に立ち深々とお辞儀をする山石さんに、客席から大きな拍手が送られま
した。

アンコールを求める拍手の中、「せーの!」という声に続いて客席が♪Happy Birthdayを歌い出す。
山石さんが登場すると、ステージ前からろうそくに火をつけたケーキが差し出され、山石さんがそれ
を吹き消す。
と同時に、客席から「おめでとう〜!」の声が飛び交い、クラッカーがパンパン!と鳴り響く。
そして、薔薇の花束贈呈が行われ、それを受け取った山石さんはちょっと照れた様な笑顔。
このケーキと花束は“石の会”の有志によるもので、会場にいるみんなでお祝いをしようと、諸々
考えて企画実行してくれたものでした。

『あなただけのHolly Night』をしっとりじっくり歌い終えると、ステージの中央に立ち、お辞儀を
してから花束を抱えて暗闇へ消えて行きました。

鳴り止まない拍手の音に促されるように、再び山石さん登場。
「誕生日を迎えると、ここからまた新しい1年が始まるような気がします。来年の4月8日、ライブが
できるかどうかまだわかりませんが、石の日ライブがあったらこの1年間の私の成長を見に(笑)、
皆さんも1年の間のことを報告し合いに、また集まっていただけたらと思います。今日はどうもありが
とうございました。」とご挨拶。

そして、「リクエスト第一位の曲をもう1回やります」と言って『とても子供だった』。
続けて『浅い夢』やはりラストにこの曲を聞くと、なんだかじ〜んときますね。
歌い終えると前へ出てきて、客席のあちらこちらへお辞儀をしながら何度も小声で「ありがとう」と
言いながら(そう見えました)ステージを去って行きました。

今年の石の日は、いつもとは違う“特別な日”を充分味わえた、楽しくて嬉しいライブでした。


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